特許翻訳

IT関連だからか?、この無神経な訳は。

私はSEを長年やってきましたので、IT関連の仕事をしている人の無神経な言葉使いには慣れてます。

「保証」と「保障」と「補償」の意味の区別、「決済」と「決裁」の意味の区別ができない人。
何でもかんでもカタカナにすれば良いと思っている人がいたりとか。

IT系の特許明細書の対訳を取っていると、日本語訳の選択に無神経だなと思うことが多いです。みんなSE出身者なのでしょうかね。

以前、”password generator”を「パスワード生成者」と訳してある明細書について書きましたが、これは酷過ぎ、例外だと思ってました。
対訳取り1本目でこんなクソ翻訳を引き当てるとは、何と運が悪いこと、なんて。

今対訳取りをしている明細書は、1本目程ではないのですが、無神経だなと思う訳が幾つかあります。

原文は
“Additionally, the term “sale”, such as in “point-of-sale” (POS) refers to any type of payment-oriented transaction, including lease, rental or payment for services, for example, and is not limited to an actual purchase or transfer of ownership.”

日本語訳が
「加えて、「販売時点」(POS)に含まれるような用語「販売(”sale”)」とは、例えば、リース、レンタル又はサービスに対する支払を含む任意の種類の支払指向の取引をいい、実際の所有権の購入又は移転に限定されない。」

何ですか?、「支払指向」って?。こんな言葉、日本語にありますか?。
確かに”object-oriented”は「オブジェクト指向」が日本語訳として使われますが、それの置換ですか?
Googleで検索してもまともなサイトは検索できない。当然、広辞苑にも載っていない。
こんな言葉を平気で使うなんて、本当に無神経だなと思います。
「支払を伴う取引」と私なら訳します。

これ以外にも”merchant”を「マーチャント」そのままで使ってたり。
「マーチャント」って一般用語でしょうか?。たとえ一般用語だとしても、意味合い的には卸売業とか小売業をイメージするのではないかな。
(大阪の天満橋にOMMビルがありますが、正式名称は「大阪マーチャンダイズ・マートビル」ですね)
この明細書での”merchant”はクレジットカード等で取引の決済を行う”merchant”なのですから、卸売業とか小売業よりも範囲が広いはずです。
「事業者」で良いのではと思います(私ならこう訳します)。

それからIT系の対訳を取っていると、ほぼ確実に誤訳していると思えるのが次のような”by ●●●”の係りです。

“For example, the card reader 1 by its nature does not need to be programmable or configurable by the end user.”

「例えば、カードリーダ1は、その性質上プログラム可能である必要もなく、エンドユーザによって構成可能である必要もない。」
と訳してます。

by the end userはprogrammableにも掛ると思います。エンドユーザはプログラミングできないと思っているのでしょうか。
ちなみにこの訳、Google翻訳とほぼ一致します(苦笑)。

この明細書の公表番号は、特表2017-524312。本当に最近に翻訳されたものですよ
例の「パスワード生成者」のは特表2016-532936。これも最近。
管理人様はよくビデオで、最近レベルが上がってきてるとおっしゃいますが、まだこんなレベルなんですかね。それともIT関連だからかな?

もしこの明細書とか、前のパスワード生成者の明細書を訳したのがプロの特許翻訳者だとしたら、
「こんな奴らがプロなんだったら、俺がプロになれないわけがない」
と本当に思います。

そういう点では、「自信をつけさせてくれてありがとう!」という感じですかね。

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